2011年01月24日
第10話 世界一のチャイニーズヌードル
シャヒットと出会ってから、私の生活は一変した。困ったことがあれば、シャヒットに相談すればほとんどのことが解決した。
まずは、食生活。パキスタン料理ばかり食べていたこの一週間、私の胃袋は限界に来ていた……普通のものが食べたい。普通のもの、つまり、日本で食べている食事に近いもの。
「この町に、日本料理店はある?」
「アリマセン……チャイニーズナラアリマス」
シャヒットのその答えに、私は狂喜した。
「中国料理があるのか!いくぞ!直ぐに行くぞ!」
タクシーを捕まえると、シャヒットと共に、中華料理店を目指した。そして、到着。全 く中華料理店に見えないつくり。パキスタン料理のレストランと、外見では見分けがつかなかった。私とシャヒットは店内に入り、メニューを見るが…全く読めない現地の言葉だった。
「説明して」
シャヒットに頼むと、シャヒットは説明をしだした。
「チキンチリソース・ビーフオイスター・ヌードル・シュリンプチップス、ナンデモアリマス」
何でもあるという言葉、そして、この国の貨幣価値をそろそろ理解し始めていた私は、清水の舞台から飛び降りるつもりで――いや、たいしたことはないだろうと予測しながら叫んだ。
「フカヒレに、イセエビある?」
「…………」
「お金は大丈夫だよ! 最近ろくなものを食ってないから、今日は贅沢したいんだ!」
しかし、シャヒットから返ってきた言葉は、
「ココハ・ウミカラ、センキロ・アリマス。イセエビハ・アリマセン。フカヒレモ・アリ マセン」
海から遠いこと、食材が高価すぎてそろえられないことなどなど……。ここは、チリソースといえば、チキン。オイスターはビーフ。シュリンプチップスはえびせん。などなど……現地の食材をアレンジしたものばかりだった。
「だまされた!」
中華料理とはいえ、これでは……と、思うものの、とにかくチキンチリソースと、ホワイトライス、チキンスープヌードルに、よくわからないが、肉団子の甘酢あんかけと予想されるものを頼んだ。
そして、出てきたものは……。山盛りの皿が多数。日本円にして一品100円程度。高くても200円。そんな値段なものだから、どんどん注文してしまうと、二人で約十人前とも思われる料理が出てきた。
「どうするの、これ?」
日本の感覚で注文したものの、とてつもない量が出てきた。しかし、二人で食べだすと、
「辛い!しかし、うまい!」
二人はチキンチリソースを食べながら叫んだ。
「シャヒットは、いつも食べてんだろう」
「チャイニーズハ・タカクテ・タベレナイヨ」
日本の限度を超えた辛さにビックリするものの、久しぶりの中華系の味に感動をしていた。そして、チキンスープヌードル口にすると……なんとも言えぬ、シンプルなチキン塩味。そして、手打ちの中太麺が……。
「メチャメチャうまいじゃないか!!」
感動の嵐だった。パキスタンに来てこんなにうまいものがあったのか!一週間、パキスタン料理ばかりだから思ったのではない。パキスタンの、中華料理の水準の高さ。透き通ったスープに、麺。もう、これ以上の感動はなかった。今でも思う。パキスタンのラーメンを超えるラーメンはないと。
日本ではない味。素朴なチキンスープに、手打ちの麺。手打ちの麺……当たり前だ、パキスタンで市販の麺などないのだから、全て各店製造。あのラーメンをもう一度食べたいと思うが、パキスタンにいく勇気はない……。
だが、ホワイトライス――あの、インディカ米だけは口に合わなかった。細い、虫のようなあの米は、味も良くなければ触感もよくなかった。
まずは、食生活。パキスタン料理ばかり食べていたこの一週間、私の胃袋は限界に来ていた……普通のものが食べたい。普通のもの、つまり、日本で食べている食事に近いもの。
「この町に、日本料理店はある?」
「アリマセン……チャイニーズナラアリマス」
シャヒットのその答えに、私は狂喜した。
「中国料理があるのか!いくぞ!直ぐに行くぞ!」
タクシーを捕まえると、シャヒットと共に、中華料理店を目指した。そして、到着。全 く中華料理店に見えないつくり。パキスタン料理のレストランと、外見では見分けがつかなかった。私とシャヒットは店内に入り、メニューを見るが…全く読めない現地の言葉だった。
「説明して」
シャヒットに頼むと、シャヒットは説明をしだした。
「チキンチリソース・ビーフオイスター・ヌードル・シュリンプチップス、ナンデモアリマス」
何でもあるという言葉、そして、この国の貨幣価値をそろそろ理解し始めていた私は、清水の舞台から飛び降りるつもりで――いや、たいしたことはないだろうと予測しながら叫んだ。
「フカヒレに、イセエビある?」
「…………」
「お金は大丈夫だよ! 最近ろくなものを食ってないから、今日は贅沢したいんだ!」
しかし、シャヒットから返ってきた言葉は、
「ココハ・ウミカラ、センキロ・アリマス。イセエビハ・アリマセン。フカヒレモ・アリ マセン」
海から遠いこと、食材が高価すぎてそろえられないことなどなど……。ここは、チリソースといえば、チキン。オイスターはビーフ。シュリンプチップスはえびせん。などなど……現地の食材をアレンジしたものばかりだった。
「だまされた!」
中華料理とはいえ、これでは……と、思うものの、とにかくチキンチリソースと、ホワイトライス、チキンスープヌードルに、よくわからないが、肉団子の甘酢あんかけと予想されるものを頼んだ。
そして、出てきたものは……。山盛りの皿が多数。日本円にして一品100円程度。高くても200円。そんな値段なものだから、どんどん注文してしまうと、二人で約十人前とも思われる料理が出てきた。
「どうするの、これ?」
日本の感覚で注文したものの、とてつもない量が出てきた。しかし、二人で食べだすと、
「辛い!しかし、うまい!」
二人はチキンチリソースを食べながら叫んだ。
「シャヒットは、いつも食べてんだろう」
「チャイニーズハ・タカクテ・タベレナイヨ」
日本の限度を超えた辛さにビックリするものの、久しぶりの中華系の味に感動をしていた。そして、チキンスープヌードル口にすると……なんとも言えぬ、シンプルなチキン塩味。そして、手打ちの中太麺が……。
「メチャメチャうまいじゃないか!!」
感動の嵐だった。パキスタンに来てこんなにうまいものがあったのか!一週間、パキスタン料理ばかりだから思ったのではない。パキスタンの、中華料理の水準の高さ。透き通ったスープに、麺。もう、これ以上の感動はなかった。今でも思う。パキスタンのラーメンを超えるラーメンはないと。
日本ではない味。素朴なチキンスープに、手打ちの麺。手打ちの麺……当たり前だ、パキスタンで市販の麺などないのだから、全て各店製造。あのラーメンをもう一度食べたいと思うが、パキスタンにいく勇気はない……。
だが、ホワイトライス――あの、インディカ米だけは口に合わなかった。細い、虫のようなあの米は、味も良くなければ触感もよくなかった。